【絶対わかる】ラプラス変換② ~たたみ込み(合成積)~

今回の記事ではたたみ込み(合成積)について解説していきます。

たたみ込みとは

たたみ込み(合成積)は以下のように定義されます。

たたみ込み

たたみ込みを利用することで、複雑な式の逆ラプラス変換をするときに容易に計算できることがあります。

たたみ込みの3つの性質

たたみ込みの性質

たたみ込みの性質

(1)(交換法則)

(2)(分配法則)

(3)(結合法則)

それぞれの証明

(1)(交換法則)

まず合成積の定義より

ここでと置換すると、であり

この式は積分定数がでなくになっているだけで、定義の式と同じ形であるので

(2)(分配法則)

積分の線形性により容易に証明できます。

(3)(結合法則)

まずについて考えます。ここでとおくと

したがって

ここで先ほどの交換法則を使うことで

たたみ込みのラプラス変換

たたみ込みのラプラス変換はシンプルな形となってます。この性質は逆ラプラス変換の時に大活躍するので覚えておきましょう。

たたみ込みのラプラス変換

これの証明も下に示しておきます。この証明は難しいのでさらっと見るくらいで大丈夫です。

まず合成積の定義より

したがってラプラス変換の定義の式より

 

ここで積分順序の交換を行います。

ここでと置換すると、であり

練習問題

練習問題にチャレンジしてみましょう。

(1)の計算結果を利用してを求めよ

まずはを計算していきます。積分計算で計算しやすくするために交換法則を利用してとしておきます。よって

したがって

ちなみに問題文に「の計算結果を利用して」がなければ

と計算するほうが楽です。

(2)を求めよ

この問題も積分計算で計算しやすくするために交換法則を利用してとしておきます。よって

途中の計算には部分積分を使いました。

(3)を求めよ

積分の計算過程がわからなかった人は以下の記事の(9)の問題に似たような問題があるので参照してください。

(4)を求めよ

(指数関数) (三角関数)の積分は特殊な方法で行います。ここでとおくと

よって

したがって

積分の計算過程がわからなかった人は以下の記事の(10)の問題に似たような問題があるので参照してください。

まとめ

たたみ込みは逆ラプラス変換の時に多用する重要事項です。何回も演習して完璧にしておきましょう。

ラプラス変換② たたみ込み(合成積)についての記事のサムネイルです。

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