今回の記事では2階線形微分方程式の非同次形の定数変化法について解説していきます。2階線形微分方程式の非同次形①の知識を使うので忘れている方は以下の記事を参照してください。

定数変化法
2階線形微分方程式の非同次形を定数変化法を使って解くことができます。以下の定理を使って解くことを定数変化法と言います。
$y_1,y_2$が同次方程式$\frac{d^2 y}{dx^2}+P(x)\frac{dy}{dx}+Q(x)y=0$の基本解であるならば
$$y=y_1 \int \frac{-y_2 R(x)}{W(y_1,y_2)} \ dx+y_2 \int \frac{y_1 R(x)}{W(y_1,y_2)} \ dx$$
は$\frac{d^2 y}{dx^2}+P(x)\frac{dy}{dx}+Q(x)y=R(x)$の特殊解である。
$W(y_1,y_2)$はロンスキアン(ロンスキー行列)を利用することで計算できましたね。ロンスキアンについての詳しい説明は以下の記事を参照してください。

定数変化法を用いた非同次形の解き方
2階線形微分方程式の非同次形は定数変化法を利用することで、以下の4STEPで解くことができます。
与式を$R(x)=0$として同次方程式の特性方程式を考えることで、余関数を求めます。
同次形とした与式のロンスキアン(ロンスキー行列)を求めます。
定数変化法の公式$y=y_1 \int \frac{-y_2 R(x)}{W(y_1,y_2)} \ dx+y_2 \int \frac{y_1 R(x)}{W(y_1,y_2)} \ dx$を利用して特殊解を求めます。
余関数と特殊解の和が一般解なことを利用して求めます。このとき定数部分を$C_0$とまとめることで式を簡単にしておきましょう。
この4STEPを使って例題にチャレンジしてみましょう。
【例題(1)】$y^{\prime\prime}+2y’-8y=0$を定数変化法を使って解け
まずは2階線形微分方程式の同次形の一般解$y_c (x)$を特性方程式を利用することで求めていきます。与式の$R(x)$を$R(x)=0$として、$y^{\prime\prime}+2y’-8y=0$として特性方程式を考えます。特性方程式は$t^2+2t-8=0$より
$$(t+4)(t-2)=0$$
$$t=-4,2$$
よって異なる2つの実数解をもつので、与式の余関数は
$$y_c (x)=C_1 e^{-4x}+C_2 e^{2x}$$
よって与式の基本解は$y_1=e^{-4x},y_2=e^{2x}$とわかります。次は特殊解$Y(x)$を求めていきます。定数変化法の公式$y=y_1 \int \frac{-y_2 R(x)}{W(y_1,y_2)} \ dx+y_2 \int \frac{y_1 R(x)}{W(y_1,y_2)} \ dx$を使うために、まずは与式の同次形のロンスキアンを求めましょう。
\begin{eqnarray} W(y_1,y_2)& &=\begin{vmatrix} y_1 & y_2\\y’_1 & y’_2 \end{vmatrix}=\begin{vmatrix} e^{-4x} & e^{2x}\\-4e^{-4x} & 2e^{2x} \end{vmatrix}\\& &=e^{-4x}・2e^{2x}-e^{2x}・-4e^{-4x}\\& &=6e^{-2x} \neq 0 \end{eqnarray}
したがって
\begin{eqnarray} y_1 \int \frac{-y_2 R(x)}{W(y_1,y_2)} \ dx& &=e^{-4x}\int \frac{-e^{2x}・e^{2x}}{6e^{-2x}} \ dx\\& &=e^{-4x}\int \frac{-e^{4x}}{6e^{-2x}} \ dx\\& &=-\frac{1}{36}e^{2x} \end{eqnarray}
\begin{eqnarray} y_2 \int \frac{y_1 R(x)}{W(y_1,y_2)} \ dx& &=e^{2x}\int \frac{e^{2x}・e^{-4x}}{6e^{-2x}} \ dx\\& &=e^{2x}\int \frac{e^{-2x}}{6e^{-2x}} \ dx\\& &=\frac{1}{6}xe^{2x} \end{eqnarray}
したがって特殊解は
$$Y(x)=-\frac{1}{36}e^{2x}+\frac{1}{6}xe^{2x}$$
よって求める一般解は
\begin{eqnarray} y& &=C_1 e^{-4x}+C_2 e^{2x}-\frac{1}{36}e^{2x}+\frac{1}{6}xe^{2x}\\& &=C_1 e^{-4x}+(C_2+\frac{1}{6}x-\frac{1}{36})e^{2x} \end{eqnarray}
最後に定数部分を$C_0=C_2-\frac{1}{36}$とまとめて
$$y=C_1e^{-4x}+(C_0+\frac{1}{6}x)e^{2x}$$
練習問題
練習問題にチャレンジしてみましょう。
$y^{\prime\prime}+y’=2x^2$を定数変化法を使って解け
非同次形①の未定変化法の【例題(2)】と同じ問題です。定数変化法を使っても、未定係数法を使った時と同じ一般解が求まることを確かめてみましょう。
まずは2階線形微分方程式の同次形の一般解$y_c (x)$を特性方程式を利用することで求めていきます。与式の$R(x)$を$R(x)=0$として、$y^{\prime\prime}+y’=0$として特性方程式を考えます。特性方程式は$t^2+t0$より
$$t(t+1)=0$$
$$t=0,-1$$
よって異なる2つの実数解をもつので、与式の余関数は
\begin{eqnarray} y_c (x)& &=C_1 e^{0x}+C_2 e^{-x}\\& &=C_1+C_2e^{-x} \end{eqnarray}
よって与式の基本解は$y_1=1,y_2=e^{-x}$とわかります。次は特殊解$Y(x)$を求めていきます。定数変化法の公式$y=y_1 \int \frac{-y_2 R(x)}{W(y_1,y_2)} \ dx+y_2 \int \frac{y_1 R(x)}{W(y_1,y_2)} \ dx$を使うために、まずは与式の同次形のロンスキアンを求めましょう。
\begin{eqnarray} W(y_1,y_2)& &=\begin{vmatrix} y_1 & y_2\\y’_1 & y’_2 \end{vmatrix}=\begin{vmatrix} 1 & e^{-x}\\0 & -e^{-x} \end{vmatrix}\\& &=1・-e^{-x}-e^{-x}・0\\& &=-e^{-x} \neq 0 \end{eqnarray}
したがって
\begin{eqnarray} y_1 \int \frac{-y_2 R(x)}{W(y_1,y_2)} \ dx& &=\int \frac{-2x^2・e^{-x}}{-e^{-x}} \ dx\\& &=\int 2x^2 \ dx\\& &=\frac{2}{3}x^3 \end{eqnarray}
\begin{eqnarray} y_2 \int \frac{y_1 R(x)}{W(y_1,y_2)} \ dx& &=e^{-x}\int \frac{2x^2・1}{-e^{-x}} \ dx\\& &=e^{-x}\int -2x^2 e^x \ dx\\& &=-2x^2 +4x-4 \end{eqnarray}
したがって特殊解は
$$Y(x)=\frac{2}{3}x^3-2x^2+4x-4$$
よって求める一般解は
$$ y=C_1+C_2e^{-x}+\frac{2}{3}x^3-2x^2+4x-4$$
最後に定数部分を$C_0=C_1-4$とまとめて
$$y=C_0+C_2e^{-x}+\frac{2}{3}x^3-2x^2+4x$$
まとめ
今回の記事では2階線形微分方程式の非同次形の定数変化法について解説しました。計算は長いですが、一般解を求める手順自体は簡単なので、しっかりマスターしておきましょう。