【絶対わかる】1階線形微分方程式とは

今回の記事では1階線形微分方程式の解き方について解説していきます。

目次

1階線形微分方程式とは

次の形の微分方程式を1階線形微分方程式といいます。

1階線形微分方程式

$$\frac{dy}{dx}+P(x)y=Q(x)$$

つまり$\frac{dy}{dx}$+(xだけの関数)y=(xだけの関数)の形です。1階線形微分方程式において$Q(x)=0$のとき、すなわち

$$\frac{dy}{dx}+P(x)y=0$$

のとき同次形といい、$Q(x) \neq 0$のときを非同次形といいます。

1階線形微分方程式の解き方

1階線形微分方程式は、同次形のときと非同次形のときで解き方が違います。

同次形のとき

1階線形微分方程式が同次形のときは

$$\frac{dy}{dx}+P(x)y=0$$

となり、これは変数分離形なので一般解は簡単に求めることができます。

変数分離系の詳しい説明は以下の記事を参照してください。

非同次形のとき

1階線形微分方程式が非同次形のときの解き方は主に2パターンあります。

非同次形のときの解法

・両辺に$e^{\int P(x) \ dx}$をかける解き方

・公式に代入する解き方

それぞれ解説していきます。

両辺に$e^{\int P(x) \ dx}$をかける解き方

この場合は以下の3STEPで解くことができます。

3STEP
STEP
与式の両辺に$e^{\int P(x) \ dx}$をかける

$\frac{dy}{dx}+P(x)y=Q(x)$の両辺に$P(x)$をかけます。

STEP
左辺を$\frac{d}{dx}(ye^{\int P(x) \ dx})$と変形する

積の微分法を逆に使うことで、左辺を$\frac{d}{dx}(ye^{\int P(x) \ dx})$と変形します。

STEP
両辺をxで積分する

両辺をxで積分して計算します。

この3STEPを使って例題にチャレンジしてみましょう。

【例題(1)】$\frac{dy}{dx}+y=\cos{x}$の一般解を求めよ

$e^{\int P(x) \ dx}=e^x$より、与式の両辺に$e^x$をかけると

$$e^x・\frac{dy}{dx}+e^x・y=e^x・\cos{x}$$

ここで左辺を$\frac{d}{dx}(ye^{\int P(x) \ dx})$と変形すると

$$\frac{d}{dx}(e^x y)=e^x\cos{x}$$

両辺をxで積分します。

$$e^x y=\int e^x\cos{x} \ dx$$

ここで$I=\int e^x\cos{x} \ dx$とおくと

\begin{eqnarray} I& &=\int e^x\cos{x} \ dx\\& &=e^x\sin{x}-\int e^x \sin{x} \ dx\\& &=e^x \sin{x}+e^x\cos{x}-\int e^x\cos{x} \ dx\\& &= e^x(\sin{x}+\cos{x})-I \end{eqnarray}

よって

$$I=\frac{1}{2}e^x(\sin{x}+\cos{x})+C \quad (Cは任意定数)$$

したがって

$$e^x y=\frac{1}{2}e^x(\sin{x}+\cos{x})+C$$

$$y=\frac{1}{2}(\sin{x}+\cos{x})+Ce^{-x}$$

公式に代入する解き方

1階線形微分方程式の一般解は公式を使うことで求めることもできます。

1階線形微分方程式の公式

1階線形微分方程式

$$\frac{dy}{dx}+P(x)y=Q(x)$$

において、この一般解は

$$y=e^{-\int P(x) \ dx}(\int Q(x)e^{\int P(x) \ dx}+C)$$

この公式を覚えることで、1階線形微分方程式の一般解はすぐ求めることができますが、覚えるのが大変なので1つ目のやり方をおすすめします。

練習問題

練習問題にチャレンジしてみましょう。

(1)$\frac{dy}{dx}+y=x^3$の一般解を求めよ

$P(x)=1$なので、$e^{\int P(x) \ dx}=e^x$より、与式の両辺に$e^x$をかけると

$$e^x・\frac{dy}{dx}+e^x・y=e^x・x^3$$

ここで左辺を$\frac{d}{dx}(ye^{\int P(x) \ dx})$と変形すると

$$\frac{d}{dx}(e^x y)=x^3 e^x$$

両辺をxで積分します。

$$e^x y=\int x^3 e^x \ dx$$

右辺の積分は部分積分を繰り返すことによって解くことができ

$$e^x y=(x^3-3x^2+6x-6)e^x+C \quad (Cは任意定数)$$

したがって

$$y=(x^3-3x^2+6x+6)+Ce^{-x}$$

【別解】

1階線形微分方程式の公式を使います。

$P(x)=1$,$Q(x)=x^3$を$y=e^{-\int P(x) \ dx}(\int Q(x)e^{\int P(x) \ dx}+C)$に代入して

$$y=e^{-\int 1 \ dx}(\int x^3 e^{\int 1 \ dx}+C) \quad (Cは任意定数) $$

$$y=e^{-x}(\int x^3 e^x dx+C)$$

したがって

$$y=e^{-x}\{e^x (x^3-3x^2+6x+6)+C\}$$

$$y=(x^3-3x^2+6x+6)+Ce^{-x}$$

(2)$x\frac{dy}{dx}-y=x\log{x}$の一般解を求めよ

少しわかりにくいですが、この問題も一階線形微分方程式です。まずは$\frac{dy}{dx}+P(x)y=Q(x)$の形に変形させてみましょう。$x=0$は与式を満たさないため$x \neq 0$です。よって両辺をxで割ると

$$\frac{dy}{dx}-\frac{y}{x}=\log{x} \quad (1)$$

$P(x)=-\frac{1}{x}$なので

\begin{eqnarray} e^{\int P(x) \ dx}& &=e^{\int -\frac{1}{x}}\\& &=e^{-\log{x}}\\& &=\frac{1}{x} \end{eqnarray}

よって(1)の両辺に$\frac{1}{x} $をかけると

$$\frac{1}{x}・\frac{dy}{dx}-\frac{1}{x}・\frac{y}{x}=\frac{1}{x}・\log{x}$$

ここで左辺を$\frac{d}{dx}(ye^{\int P(x) \ dx})$と変形すると

$$\frac{d}{dx}(\frac{y}{x})=\frac{1}{x}$$

両辺をxで積分します。

$$\frac{y}{x}=\int \frac{1}{x} \log{x} \ dx$$

$$\frac{y}{x}=\frac{1}{2}(\log{x})^2 +C \quad (Cは任意定数)$$

したがって

$$y=\frac{1}{2}x(\log{x})^2 +Cx$$

【別解】

まずは$\frac{dy}{dx}+P(x)y=Q(x)$の形に変形させます。

$$\frac{dy}{dx}-\frac{y}{x}=\log{x} $$

1階線形微分方程式の公式を使います。

$P(x)=-\frac{1}{x}$,$Q(x)=\log{x}$を$y=e^{-\int P(x) \ dx}(\int Q(x)e^{\int P(x) \ dx}+C)$に代入して

$$y=e^{-\int -\frac{1}{x} \ dx}(\int \log{x}・ e^{\int -\frac{1}{x} \ dx}+C)$$

\begin{eqnarray} y& &=e^{\log{x}}(\int \log{x}・e^{-\log{x}} \ dx+C)\\& &=x(\int \frac{1}{x}\log{x} \ dx+C)\\& &=x\{\frac{1}{2}(\log{x})^2 +C\}\\& &=\frac{1}{2}x(\log{x})^2 +Cx \end{eqnarray}

まとめ

今回は1階線形微分方程式について解説しました。慣れてしまったらそんなに難しくないので、何回も演習を繰り返しましょう。

1階線形微分方程式についての記事のサムネイルです。

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