今回の記事ではベルヌーイの微分方程式について解説していきます。1階線形微分方程式の知識を使うので忘れている方は以下の記事を参照してください。

ベルヌーイの微分方程式とは
次の形の微分方程式をベルヌーイの微分方程式と言います。
$$\frac{dy}{dx}+P(x)y=Q(x)y^n \quad (n \neq 0,1 )$$
つまり$\frac{dy}{dx}$+(xだけの関数)y=(xだけの関数)$y^n$の形です。1階線形微分方程式の形$\frac{dy}{dx}+P(x)y=Q(x)$の形に似ていますね。ベルヌーイの微分方程式の条件に$(n \neq 0,1)$とありますが、これはn=0,1のときはただの1階線形微分方程式となるからです。確かめてみましょう。
$k=0$のとき $\frac{dy}{dx}+P(x)y=Q(x)$
$k=1$のとき $\frac{dy}{dx}+\{P(x)-Q(x)\}y=0$
であり、たしかにただの1階線形微分方程式となっていますね。
ベルヌーイの微分方程式の解き方
ベルヌーイの微分方程式は以下の3STEPで解くことができます。
まず$z=y^{1-n}$とおき、この式の両辺をxで微分します。
STEP1で求めた式の右辺に$\frac{dy}{dx}$の項があります。この$\frac{dy}{dx}$の係数を与式の両辺にかけます。こうすることで与式が1階線形微分方程式となります。
1階線形微分方程式を解いていきます。最後にzをもとの式に戻すことをわすれないでください。
この3STEPを使って例題にチャレンジしてみましょう。
【例題(1)】$\frac{dy}{dx}+y=x^2 y^2$を解け
まず$z=y^{1-2}=y^{-1}$とおきます。この式の両辺をxで微分すると
$$\frac{dz}{dx}=\frac{dz}{dy} \frac{dy}{dx}=-y^{-2}\frac{dy}{dx}$$
ここで$\frac{dy}{dx}$の係数は$-y^{-2}$であるので、これを両辺にかけます。
$$-y^{-2}・\frac{dy}{dx}-y^{-2}・y=-y^{-2}・(x^2 y^2)$$
この式にzを導入します。
$$\frac{dz}{dx}-z=-x^2 \quad(1)$$
これは1階線形微分方程式の非同次形です。$P(x)=-1$なので、$e^{\int P(x)}=e^{-x}$より、(1)の両辺に$e^{-x}$をかけると
$$e^{-x}・\frac{dz}{dx}-e^{-x}・z=e^{-x}・-x^2$$
ここで左辺を$\frac{d}{dx}(ye^{\int P(x) \ dx})$と変形すると
$$\frac{d}{dx}(e^{-x}z)=-e^{-x} x^2$$
両辺をxで積分します。
$$e^{-x}z=-\int e^{-x} x^2 \ dx$$
$$e^{-x}z=(x^2+2x+2)e^{-x}+C$$
$$z=x^2+2x+2+Ce^x$$
最後にzをもとに戻して
$$\frac{1}{y}=x^2 +2x+2+Ce^x$$
これで微分方程式を解くことができました。
練習問題
練習問題にチャレンジしてみましょう。
$$x\frac{dy}{dx}+y=x^2 y^3 \quad (x \gt 0)$$
まずベルヌーイの微分方程式の基本形に直しておきます。両辺を$x$でわります。
$$\frac{dy}{dx}+\frac{y}{x}=xy^3$$
まず$z=y^{1-3}=y^{-2}$とおきます。この式の両辺をxで微分すると
$$\frac{dz}{dx}=\frac{dz}{dy} \frac{dy}{dx}=-2y^{-3}\frac{dy}{dx}$$
ここで$\frac{dy}{dx}$の係数は$-2y^3$であるので、これを両辺にかけます。
$$-2y^{-3}・\frac{dy}{dx}-2y^{-3}・\frac{y}{x}=-2y^{-3}・xy^3$$
この式にzを代入します。
$$\frac{dz}{dx}-\frac{2y^{-2}}{x}=-2x$$
$$\frac{dz}{dx}-\frac{2}{x}z=-2x \quad (1)$$
これは1階線形微分方程式の非同次形です。$P(x)=-\frac{2}{x}$なので、$e^{\int P(x)}=e^{\int -\frac{2}{x}}=\frac{1}{x^2}$より、(1)の両辺に$\frac{1}{x^2}$をかけると
$$\frac{1}{x^2}・\frac{dz}{dx}-\frac{1}{x^2}・\frac{2}{x}z=\frac{1}{x^2}・-2x$$
ここで左辺を$\frac{d}{dx}(ye^{\int P(x) \ dx})$と変形すると
$$\frac{d}{dx}(\frac{1}{x^2}z)=-\frac{2}{x}$$
両辺をxで積分します。
$$\frac{1}{x^2}z=-2\log{x}+C$$
$$z=-2x^2 \log{x}+Cx^2$$
最後にzをもとに戻して
$$\frac{1}{y^2}=-2x^2 \log{x}+Cx^2 $$
まとめ
今回はベルヌーイの微分方程式について解説しました。よく出てくる形なので、1階線形微分方程式に帰着することは覚えておきましょう。