今回の記事では完全微分方程式(完全微分形)について解説していきます。
完全微分方程式とは
完全微分方程式
次の条件を満たす微分方程式を完全微分方程式と言います。
微分方程式
$$P(x,y)dx+Q(x,y)dy=0 \quad (1)$$
において、ある関数$f(x,y)$が存在して
$$P(x,y)=f_x=\frac{\partial f(x,y)}{\partial x}$$
$$Q(x,y)=f_y=\frac{\partial f(x,y)}{\partial y}$$
であるとき、(1)の式を完全微分方程式または完全微分形と言います。
完全微分方程式であるための必要十分条件
(1)の式が完全微分方程式であるための必要十分条件は以下の通りです。
$$P(x,y)dx+Q(x,y)dy=0$$
が完全微分方程式であるとき
$$\frac{\partial P}{\partial y}=\frac{\partial Q}{\partial x}$$
完全微分方程式の解き方
完全微分方程式は以下の4STEPで解くことができます。
完全微分方程式の必要条件が$\frac{\partial P}{\partial y}=\frac{\partial Q}{\partial x}$なことより、これを示すことで与式が完全微分方程式であることを確かめます。
与式が完全微分方程式のとき$\frac{\partial f}{\partial x}=P,\frac{\partial f}{\partial y}=Q$です。よってPをxで積分するか、Qをyで積分することによって、関数$f(x,y)$を求めることができます。このときの任意関数はそれぞれp(y),q(x)としておきます。
STEP2でPを積分して$f(x,y)$を求めたときは、両辺をyで微分して$\frac{\partial f}{\partial y}$を求めます。Qを積分して$f(x,y)$を求めたときは両辺をyで微分して$\frac{\partial f}{\partial x}$を求めます。
$\frac{\partial f}{\partial x}=P,\frac{\partial f}{\partial y}=Q$よりSTEP3の式と比較することで、p'(y),q'(x)を求めることができます。これを積分することで一般解を求めることができます。
この4STEPを使って例題にチャレンジしてみましょう。
【例題(1)】次の方程式が完全微分方程式であることを示し、これを解け $(2x+e^y)dx+(1+xe^y)dy=0$
まず与式が完全微分方程式であることを示します。$P=2x+e^y$,$Q=1+xe^y$とすると
$$\frac{\partial P}{\partial y}=e^y,\frac{\partial Q}{\partial x}=e^y$$
したがって$\frac{\partial P}{\partial y}=\frac{\partial Q}{\partial x}$なので、与式は完全微分方程式です。
PかQどちらを積分しても$f(x,y)$は求まりますが、今回はPを積分することで$f(x,y)$を求めていきます。よって
\begin{eqnarray}f(x,y)& &=\int \frac {\partial f}{\partial x} \ dx\\& &=\int P \ dx\\& &= \int (2x+e^y) \ dx\\& &=x^2+xe^y+p(y) \end{eqnarray}
p(y)はPをx積分した時の定数、つまりyと定数を含む式です。ここでこの式の両辺をyで微分します。
$$\frac{\partial f}{\partial y}=xe^y+p'(y)$$
これと$Q=\frac{\partial f}{\partial y}=1+xe^y$と比較することで、$p'(y)=1$だと求まります。これより$p(y)$を求めていきます。
\begin{eqnarray} p(y)& &=\int p'(y) \ dy\\& &=\int 1 \ dy\\& &=y \end{eqnarray}
よって求める一般解は
$$x^2+xe^y+y=C$$
$p(y)$を積分することで求めているので、任意定数Cをつけるのを忘れないでください。
Qを積分することで$f(x,y)$を求めた場合をやっていきます。Pで積分した場合とxとyが反対の操作をしていきます。
\begin{eqnarray}f(x,y)& &=\int \frac {\partial f}{\partial y} \ dy\\& &=\int Q \ dy\\& &= \int (1+xe^y) \ dy\\& &=y+xe^y+q(x) \end{eqnarray}
q(x)はQをy積分した時の定数、つまりxと定数を含む式です。ここでこの式の両辺をxで微分します。
$$\frac{\partial f}{\partial x}=e^y+q'(x)$$
これと$P=\frac{\partial f}{\partial x}=2x+e^y$と比較することで、$q'(x)=2x$だと求まります。これより$q(x)$を求めていきます。
\begin{eqnarray} q(x)& &=\int q'(x) \ dx\\& &=\int 2x \ dx\\& &=x^2 \end{eqnarray}
よって求める一般解は
$$x^2+xe^y+y=C$$
したがって、Pを積分することで$f(x,y)$を求めた場合と同じ一般解が求まりました。
完全微分方程式に帰着させて微分方程式を解く
微分方程式が完全微分方程式でないとき、両辺にxとyの関数$\lambda (x,y)$をかけることで、完全微分方程式になることがあります。このときの$\lambda (x,y)$を積分因数と言います。これを利用して、完全微分方程式ではない微分方程式を、完全微分方程式に帰着して解くことができる場合があります。この場合は主に2パターンあります。
・$\frac{P_y-Q_x}{Q}$がxのみの関数、または$\frac{P_y-Q_x}{P}$がyのみの関数のとき
・積分因数が$\lambda (x,y)=x^m y^n$の形のとき
それぞれ解説していきます。
$\frac{P_y-Q_x}{Q}$がxのみの関数、または$\frac{P_y-Q_x}{P}$がyのみの関数のとき
$\frac{P_y-Q_x}{Q}$がxのみの関数、または$\frac{P_y-Q_x}{P}$がyのみの関数のときは、完全微分方程式に帰着することで以下の3STEPで解くことができます。
与式が完全微分方程式でないとき$\frac{P_y-Q_x}{Q}$がxのみの関数、または$\frac{P_y-Q_x}{P}$がyのみの関数になるときは、積分因数$\frac{P_y-Q_x}{Q}もしくは\frac{P_y-Q_x}{P}$を与式の両辺にかけることで、完全微分方程式にすることができます。
STEP1の条件を満たした$\frac{P_y-Q_x}{Q}もしくは\frac{P_y-Q_x}{P}$が積分因数となるので、これを与式の両辺にかけます。これで与式は完全微分方程式となります。
完全微分方程式を解きます。
この3STEPを使って例題にチャレンジしてみましょう。
【例題(2)】$(y-\log{x}) \ dx+(x\log{x}) \ dy=0$の積分因数を求めて、これを解け
$P_1=y-\log{x},Q_1=x\log{x}$とすると
$$\frac{\partial P_1}{\partial y}=1,\frac{\partial Q_1}{\partial x}=\log{x}+1$$
したがって$\frac{\partial P}{\partial y} \neq \frac{\partial Q}{\partial x}$より、与式は完全微分方程式ではありません。ここで、$\frac{P_y-Q_x}{Q}$を考えてみます。
\begin{eqnarray}\frac{P_y-Q_x}{Q}& &=\frac{1-(\log{x}+1)}{x\log{x}}\\& &=-\frac{1}{x} \end{eqnarray}
よって$\frac{P_y-Q_x}{Q}$はxのみの関数です。したがって積分因数は
\begin{eqnarray}e^{\frac{P_y-Q_x}{Q}} & &=e^{\int (-\frac{1}{x}) \ dx }\\& &=e^{-\log{x}}\\& &=\frac{1}{x} \end{eqnarray}
これを与式の両辺にかけます。
$$\frac{1}{x}・(y-\log{x}) \ dx+\frac{1}{x}・(x\log{x}) \ dy=\frac{1}{x}・0$$
$$\frac{y-\log{x}}{x} \ dx+\log{x} \ dy=0 \quad (1)$$
これで完全微分方程式になりました。確かめてみましょう。
$P_2=\frac{y-\log{x}}{x} ,Q_2=\log{x}$とすると
$$\frac{\partial P_2}{\partial y}=\frac{1}{x},\frac{\partial Q_2}{\partial x}=\frac{1}{x}$$
したがって$\frac{\partial P}{\partial y}=\frac{\partial Q}{\partial x}$なので、(1)式は完全微分方程式です。
$P_2$か$Q_2$どちらを積分しても$f(x,y)$は求まりますが、今回は積分が楽そうな$Q_2$を積分することで$f(x,y)$を求めていきます。よって
\begin{eqnarray}f(x,y)& &=\int \frac {\partial f}{\partial y} \ dy\\& &=\int Q \ dy\\& &= \int \log{x} \ dy\\& &=y\log{x}+q(x) \end{eqnarray}
q(x)はQをy積分した時の定数、つまりxと定数を含む式です。ここでこの式の両辺をxで微分します。
$$\frac{\partial f}{\partial x}=\frac{y}{x}+q'(x)$$
これと$P_2=\frac{\partial f}{\partial x}=\frac{y-\log{x}}{x}$と比較することで、$q'(x)=-\frac{\log{x}}{x}$だと求まります。これより$q(x)$を求めていきます。
\begin{eqnarray} q(x)& &=\int q'(x) \ dx\\& &=\int -\frac{\log{x}}{x} \ dx \end{eqnarray}
右辺を置換積分で計算していきます。$t=\log{x}$とおくことより、$\frac{dt}{dx}=\frac{1}{x}$であり
\begin{eqnarray}\int -\frac{\log{x}}{x} \ dx & &=\int -t \ dt\\& &=-\frac{1}{2}t^2\\& &=-\frac{1}{2}(\log{x})^2 \end{eqnarray}
よって求める一般解は
$$y\log{x}-\frac{1}{2}(\log{x})^2 =C$$
積分因数が$\lambda (x,y)=x^m y^n$の形のとき
積分因数が$\lambda (x,y)=x^m y^n$の形のときは、完全微分方程式に帰着することで以下の3STEPで解くことができます。
まず積分定数$\lambda (x,y)=x^m y^n$を与式の両辺にかけます。
$\frac{\partial P}{\partial y}=\frac{\partial Q}{\partial x}$なことより、xとyの恒等式ができます。これよりmとnが求まり、積分因数がわかります。
STEP2で求めた積分因数を与式の両辺にかけることで、完全微分方程式となります。これを解きます。
この3STEPを使って例題にチャレンジしてみましょう。
【例題(3)】次の微分方程式は$x^m y^n$の形の積分因数をもつ。これを求めて、微分方程式を解け$(x^3 y^2+x^2 y) \ dx+\frac{1}{3}x^4 y \ dy=0$
まず$\lambda (x,y)=x^m y^n$を与式の両辺にかけます。
$$x^m y^n・(x^3 y^2+x^2 y) \ dx+x^m y^n・\frac{1}{3}x^4 y \ dy=x^m y^n・0$$
$$(x^{m+3} y^{n+2}+x^{m+2} y^{n+1}) \ dx+(\frac{1}{3}x^{m+4} y^{n+1}) \ dy=0$$
ここで$P_1=x^{m+3} y^{n+2}+x^{m+2} y^{n+1},Q_1=\frac{1}{3}x^{m+4} y^{n+1}$とすると
$$\frac{\partial P_1}{\partial y}=(n+2)x^{m+3} y^{n+1}+(n+1)x^{m+2} y^n$$
$$\frac{\partial Q_1}{\partial x}=\frac{1}{3}(m+4)x^{m+3} y^{n+1} $$
ここで、完全微分方程式の必要十分条件が$\frac{\partial P}{\partial y}=\frac{\partial Q}{\partial x}$なことより
$$ (n+2)x^{m+3} y^{n+1}+(n+1)x^{m+2} y^n=\frac{1}{3}(m+4)x^{m+3} y^{n+1}$$
これはxとyの恒等式なので、係数を比較することで$n+2=\frac{1}{3}(m+4)$かつ$n+1=0$だとわかります。よって$m=-1,n=-1$なので、積分因数は$x^{-1} y^{-1}=\frac{1}{xy}$です。これを与式の両辺にかけます。
$$\frac{1}{xy}・(x^3 y^2+x^2 y) \ dx+\frac{1}{xy}・(\frac{1}{3}x^4 y) \ dy=\frac{1}{xy}・0$$
$$(x^2 y+x) \ dx+\frac{1}{3}x^3 \ dy=0 \quad(1)$$
これで完全微分方程式になりました。確かめてみましょう。
$P_2=x^2 y+x ,Q_2=\frac{1}{3}x^3$とすると
$$\frac{\partial P_2}{\partial y}=x^2,\frac{\partial Q_2}{\partial x}=x^2$$
したがって$\frac{\partial P}{\partial y}=\frac{\partial Q}{\partial x}$なので、(1)式は完全微分方程式です。
$P_2$か$Q_2$どちらを積分しても$f(x,y)$は求まりますが、今回は積分が楽そうな$Q_2$を積分することで$f(x,y)$を求めていきます。よって
\begin{eqnarray}f(x,y)& &=\int \frac {\partial f}{\partial y} \ dy\\& &=\int Q \ dy\\& &= \int \frac{1}{3}x^3 \ dy\\& &=\frac{1}{3}x^3 y+q(x) \end{eqnarray}
q(x)はQをy積分した時の定数、つまりxと定数を含む式です。ここでこの式の両辺をxで微分します。
$$\frac{\partial f}{\partial x}=x^2 y+q'(x)$$
これと$P_2=\frac{\partial f}{\partial x}=x^2 y+x$と比較することで、$q'(x)=x$だと求まります。これより$q(x)$を求めていきます。
\begin{eqnarray} q(x)& &=\int q'(x) \ dx\\& &=\int x \ dx\\& &=\frac{1}{2} x^2 \end{eqnarray}
よって求める一般解は
$$\frac{1}{3}x^3 y^2+\frac{1}{2}x^2=C$$
練習問題
練習問題にチャレンジしてみましょう。
(1)次の方程式が完全微分方程式であることを示し、これを解け$(x-y)dx+(-x+y)dy=0$
まず与式が完全微分方程式であることを示します。$P=x-y$,$Q=-x+y$とすると
$$\frac{\partial P}{\partial y}=-1,\frac{\partial Q}{\partial x}=-1$$
したがって$\frac{\partial P}{\partial y}=\frac{\partial Q}{\partial x}$なので、与式は完全微分方程式です。
PかQどちらを積分しても$f(x,y)$は求まりますが、今回はPを積分することで$f(x,y)$を求めていきます(Qを積分して$f(x,y)$を求めたものは別解に書いておきます)。よって
\begin{eqnarray}f(x,y)& &=\int \frac {\partial f}{\partial x} \ dx\\& &=\int P \ dx\\& &= \int (x-y) \ dx\\& &=\frac{1}{2}x^2-xy+p(y) \end{eqnarray}
p(y)はPをx積分した時の定数、つまりyと定数を含む式です。ここでこの式の両辺をyで微分します。
$$\frac{\partial f}{\partial y}=-x+p'(y)$$
これと$Q=\frac{\partial f}{\partial y}=-x+y$と比較することで、$p'(y)=y$だと求まります。これより$p(y)$を求めていきます。
\begin{eqnarray} p(y)& &=\int p'(y) \ dy\\& &=\int y \ dy\\& &=\frac{1}{2} y^2 \end{eqnarray}
よって求める一般解は
$$\frac{1}{2}x^2-xy+\frac{1}{2} y^2 =C$$
(2)$(x^2 -y+1) \ dx+x \ dy=0$の積分因数を求めて、これを解け
$P_1=x^2 -y+1,Q_1=x$とすると
$$\frac{\partial P_1}{\partial y}=-1,\frac{\partial Q_1}{\partial x}=1$$
したがって$\frac{\partial P}{\partial y} \neq \frac{\partial Q}{\partial x}$より、与式は完全微分方程式ではありません。ここで、$\frac{P_y-Q_x}{Q}$を考えてみます。
\begin{eqnarray}\frac{P_y-Q_x}{Q}& &=\frac{-1-1}{x}\\& &=-\frac{2}{x} \end{eqnarray}
よって$\frac{P_y-Q_x}{Q}$はxのみの関数です。したがって積分因数は
\begin{eqnarray}e^{\frac{P_y-Q_x}{Q}} & &=e^{\int (-\frac{2}{x}) \ dx }\\& &=e^{-2\log{x}}\\& &=\frac{1}{x^2} \end{eqnarray}
これを与式の両辺にかけます。
$$\frac{1}{x^2}・(x^2 -y+1) \ dx+\frac{1}{x^2}・x \ dy=\frac{1}{x^2}・0$$
$$(1-\frac{y}{x^2}+\frac{1}{x^2}) \ dx+\frac{1}{x} \ dy=0 \quad (1)$$
これで完全微分方程式になりました。確かめてみましょう。
$P_2=1-\frac{y}{x^2}+\frac{1}{x^2} ,Q_2=\frac{1}{x}$とすると
$$\frac{\partial P_2}{\partial y}=-\frac{1}{x^2},\frac{\partial Q_2}{\partial x}=-\frac{1}{x^2}$$
したがって$\frac{\partial P}{\partial y}=\frac{\partial Q}{\partial x}$なので、(1)式は完全微分方程式です。
$P_2$か$Q_2$どちらを積分しても$f(x,y)$は求まりますが、今回は積分が楽そうな$Q_2$を積分することで$f(x,y)$を求めていきます。よって
\begin{eqnarray}f(x,y)& &=\int \frac {\partial f}{\partial y} \ dy\\& &=\int Q \ dy\\& &= \int \frac{1}{x} \ dy\\& &=\frac{y}{x}+q(x) \end{eqnarray}
q(x)はQをy積分した時の定数、つまりxと定数を含む式です。ここでこの式の両辺をxで微分します。
$$\frac{\partial f}{\partial x}=-\frac{y}{x^2}+q'(x)$$
これと$P_2=\frac{\partial f}{\partial x}=1-\frac{y}{x^2}+\frac{1}{x^2}$と比較することで、$q'(x)=1+\frac{1}{x^2}$だと求まります。これより$q(x)$を求めていきます。
\begin{eqnarray} q(x)& &=\int q'(x) \ dx\\& &=\int (1+\frac{1}{x^2}) \ dx\\& &=x-\frac{1}{x} \end{eqnarray}
よって求める一般解は
$$\frac{y}{x}+x-\frac{1}{x}=C_1$$
$$y+x^2 -1=Cx$$
$$y=-x^2+Cx+1$$
(3)次の微分方程式は$x^m y^n$の形の積分因数をもつ。これを求めて、微分方程式を解け$(\frac{x+\log{y}}{y}) \ dx+(\frac{x}{y^2} +1) \ dy=0$
まず$\lambda (x,y)=x^m y^n$を与式の両辺にかけます。
$$x^m y^n・(\frac{x+\log{y}}{y}) \ dx+x^m y^n・(\frac{x}{y^2} +1) \ dy=x^m y^n・0$$
$$(x^{m+1} y^{n-1}+x^m y^{n-1}\log{y}) \ dx$$
$$+(x^{m+1} y^{n-2}+x^m y^n) \ dy=0$$
ここで$P_1=x^{m+1} y^{n-1}+x^m y^{n-1}\log{y}$,
$Q_1=x^{m+1} y^{n-2}+x^m y^n$とすると
$$\frac{\partial P_1}{\partial y}=(n-1)x^{m+1} y^{n-2}+(n-1)y^{n-1} \log{y}+x^m y^{n-2}$$
$$\frac{\partial Q_1}{\partial x}=\frac{1}{3}(m+4)x^{m+3} y^{n+1} $$
ここで、完全微分方程式の必要十分条件が$\frac{\partial P}{\partial y}=\frac{\partial Q}{\partial x}$なことより
$$(n-1)x^{m+1} y^{n-2}+(n-1)y^{n-1} \log{y}+x^m y^{n-2}$$
$$=\frac{1}{3}(m+4)x^{m+3} y^{n+1}$$
これはxとyの恒等式なので、係数を比較することで$1=m+1$かつ$n-1=0$だとわかります。よって$m=0,n=1$なので、積分因数は$x^0 y^1=y$です。これを与式の両辺にかけます。
$$y・(\frac{x+\log{y}}{y}) \ dx+y・(\frac{x}{y^2} +1)) \ dy=y・0$$
$$(x+\log{y}) \ dx+(\frac{x}{y}+y) \ dy=0 $$
これで完全微分方程式になりました。これを解いていきます。今回はPを積分することで$f(x,y)$を求めていきます。よって
\begin{eqnarray}f(x,y)& &=\int \frac {\partial f}{\partial x} \ dx\\& &=\int P \ dx\\& &= \int (x+\log{y}) \ dx\\& &=\frac{1}{2}x^2+x\log{y}+p(y) \end{eqnarray}
p(y)はPをx積分した時の定数、つまりyと定数を含む式です。ここでこの式の両辺をyで微分します。
$$\frac{\partial f}{\partial y}=\frac{x}{y}+p'(y)$$
これと$Q=\frac{\partial f}{\partial y}=\frac{x}{y}+y$と比較することで、$p'(y)=y$だと求まります。これより$p(y)$を求めていきます。
\begin{eqnarray} p(y)& &=\int p'(y) \ dy\\& &=\int y \ dy\\& &=\frac{1}{2}y^2 \end{eqnarray}
よって求める一般解は
$$\frac{1}{2}x^2+x\log{y}+\frac{1}{2}y^2=C$$
まとめ
今回は完全微分方程式を解説しました。解答の過程は長いですが、やっていること自体はとてもシンプルです。何回も演習することで慣れていきましょう。