【絶対わかる】ラグランジュの微分方程式とは

今回の記事ではラグランジュの微分方程式について解説していきます。1階線形微分方程式の知識を使うので、忘れている方は以下の記事を参照してください。

目次

ラグランジュの微分方程式とは

次の形の微分方程式をラグランジュの微分方程式と言います。

ラグランジュの微分方程式

$$y=xf(\frac{dy}{dx})+g(\frac{dy}{dx}) \quad (f(\frac{dy}{dx}) \neq p)$$

つまり$y$=$x$($\frac{dy}{dx}$だけの関数) + ($\frac{dy}{dx}$だけの関数)の形です。

クレローの微分方程式$y=x\frac{dy}{dx}+f(\frac{dy}{dx})$と形が似ていますね。ラグランジュの微分方程式は、クレローの微分方程式を一般化したものです。ラグランジュの微分方程式の条件に$(f(\frac{dy}{dx}) \neq p)$とありますが、これは$f(\frac{dy}{dx})=p$のときはクレローの微分方程式となるからです。

クレローの微分方程式について詳しく知りたい方は以下の記事を参照してください。

ラグランジュの微分方程式の解き方

ラグランジュの微分方程式は以下の3STEPで解くことができます。

3STEP
STEP
与式を$\frac{dy}{dx}=p$とおいたあと、両辺をxで微分します。

$\frac{dy}{dx}=p$とおいて式を簡単にします。この式の両辺をxで微分します。

STEP
$p \neq 0$のときより一般解を求める

$p \neq 0$のときより一般解を求めます。STEP1の式を変形することで、1階線形微分方程式となります。これを計算することでxが求まります。このxを与式に代入することでyも求まり、このxとyの式が一般解です。媒介変数pの説明が必要なので、「pはパラメーターである」という文を書いておきましょう。

STEP
$p=0$のときより特異解を求める

$p=0$のときより特異解を求めます。これは与式に$p=0$を代入するだけで簡単に求まります。

この3STEPを使って例題にチャレンジしてみましょう。

【例題(1)】$y=x(1+\frac{dy}{dx})+(\frac{dy}{dx})^2$を解け

まず$\frac{dy}{dx}=p$とおいて式を簡単にします。

$$y=x(1+p)+p^2 \quad (1)$$

この式の両辺をxで微分します。pはxの関数であることに気をつけて微分します。

$$\frac{dy}{dx}=(1+p)+x\frac{dp}{dx}+2p\frac{dp}{dx}$$

$$p=(1+p)+x\frac{dp}{dx}+2p\frac{dp}{dx} \quad (2)$$

ここで場合分けを行います。

[1]$p \neq 0$のとき

(2)を計算していくことで

$$1+x\frac{dp}{dx}+2p\frac{dp}{dx}=0$$

$$\frac{dx}{dp}+x=-2p \quad (3)$$

これは1階線形微分方程式の非同次形です。$P(x)=1$なので、$e^{\int P(x)}=e^p$より、(3)の両辺に$e^p$をかけると

$$e^p・\frac{dx}{dp}+e^p・x=e^p・(-2p)$$

ここで左辺を$\frac{d}{dx}(ye^{\int P(x) \ dx})$と変形すると

$$\frac{d}{dp}(e^p x)=-2pe^p$$

両辺をpで積分します。

$$e^p x=-2 \int pe^p$$

$$e^p x=-2(pe^p-e^p)+C$$

$$x=-2(p-1)+Ce^{-p}$$

この式を(1)に代入します。

\begin{eqnarray} y& &= \{-2(p-1)+Ce^{-p}\}・(1+p)+p^2\\& &=2-p^2+C(1+p)e^{-p} \end{eqnarray}

したがって一般解は

\begin{eqnarray} \left\{\begin{array}{l} x=-2(p-1)+Ce^{-p} \\ y=2-p^2+C(1+p)e^{-p} \end{array} \right. \end{eqnarray}

このときpはパラメーターである。

[2]$p=0$のとき

(1)に$p=0$を代入することで、特異解は

$$y=x$$

練習問題

練習問題にチャレンジしてみましょう。

$y=(\frac{dy}{dx})^2 x+(\frac{dy}{dx})^2$を解け

まず$\frac{dy}{dx}=p$とおいて式を簡単にします。

$$y=p^2 x+p^2 \quad (1)$$

この式の両辺をxで微分します。pはxの関数であることに気をつけて微分します。

$$\frac{dy}{dx}=p^2 +2px \frac{dp}{dx}+2p\frac{dp}{dx}$$

$$p=p^2 +2px \frac{dp}{dx}+2p\frac{dp}{dx} \quad (2)$$

ここで場合分けを行います。

[1]$p \neq 0,1$のとき

(2)を計算していくことで

$$(2px+2p)\frac{dp}{dx}=p-p^2$$

$$\frac{dp}{dx}=\frac{1-p}{2x+2}$$

\begin{eqnarray} \frac{dx}{dp}& &=\frac{2x+2}{1-p}\\& &=\frac{2x}{1-p}+\frac{2}{1-p} \end{eqnarray}

$$\frac{dx}{dp}+\frac{2}{p-1}x=-\frac{2}{p-1} \quad (3)$$

これは1階線形微分方程式の非同次形です。$P(x)=\frac{2}{p-1}$なので、$e^{\int P(x)}=e^{2\log{|p-1|}}=(p-1)^2$より、(1)の両辺に$(p-1)^2$をかけると

$$(p-1)^2 ・\frac{dx}{dp}+(p-1)^2 ・\frac{2}{p-1}x=(p-1)^2・-\frac{2}{p-1} $$

ここで左辺を$\frac{d}{dx}(ye^{\int P(x) \ dx})$と変形すると

$$\frac{d}{dp} \{(p-1)^2 x\}=-2(p-1)$$

両辺をxで積分すると

$$ (p-1)^2 x=-2 \int (p-1) \ dp $$

後で計算しやすいように、右辺の積分は$(p-1)$の形を残して計算します。

\begin{eqnarray}(p-1)^2 x& &=-2・\frac{1}{2} (p-1)^2\\& &=-(p-1)^2+C \end{eqnarray}

$$x=-1+\frac{C}{(p-1)^2}$$

この式を(1)に代入します。

\begin{eqnarray} y& &= p^2・(-1+\frac{C}{(p-1)^2})+p^2\\& &=\frac{Cp^2}{(p-1)^2} \end{eqnarray}

したがって一般解は

\begin{eqnarray} \left\{\begin{array}{l} x=-1+\frac{C}{(p-1)^2} \\ y=\frac{Cp^2}{(p-1)^2} \end{array} \right. \end{eqnarray}

このときpはパラメーターである。

[2]$p=0$のとき

(1)に$p=0$を代入することで、特異解は

$$y=0$$

まとめ

今回はラグランジュの微分方程式について解説しました。クレローの微分方程式と形は似ていますが、クレローの微分方程式に比べて難しいので、何回も演習して完璧にしておきましょう。

ラグランジュの微分方程式についての記事のサムネイルです。

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