今回の記事ではオイラーの微分方程式について解説していきます。未定係数法の知識を使うので、忘れている方は以下の記事を参照してください。

オイラーの微分方程式とは
次の形の微分方程式をオイラーの微分方程式と言います。
$$x^2\frac{d^2 y}{dx^2}+ax\frac{dy}{dx}+by=R(x)$$
(a,bは実定数)
オイラーの微分方程式の解き方
オイラーの微分方程式は以下の4STEPで解くことができます。
与式において$x \gt 0$のとき$t=\log{x}$とおき、$x \lt 0$のとき$t=\log{(-x)}$とおきます。これについて$\frac{dy}{dx},\frac{d^2 y}{dx^2}$を求めます。
STEP1で求めた式を与式に代入することで、与式が定数係数の2階線形微分方程式の非同次形になります。
2階線形微分方程式の非同次形を未定係数法を用いて解きます。
余関数と特殊解の和が一般解なことを利用して求めます。
この4STEPを使って例題にチャレンジしてみましょう。
【例題(1)】$x^2 y^{\prime\prime}-xy’+y=\log{x}$を解け
与式に$\log{x}$があるため、$x \gt 0$だとわかります。よって、まず$t=\log{x}$つまり$x=e^t$とおくと、
\begin{eqnarray} \frac{dy}{dx}& &=\frac{dy}{dt} \frac{dt}{dx}\\& &=\frac{dy}{dt}・\frac{1}{x}\\& &=\frac{dy}{dt} e^{-t} \end{eqnarray}
\begin{eqnarray} \frac{d^2 y}{dx^2}& &=\frac{d}{dx}(\frac{dy}{dx})\\& &=\frac{d}{dt} \frac{dt}{dx} (\frac{dy}{dx})\\& &=\frac{d}{dt}(\frac{dy}{dt}e^{-t}) \frac{dt}{dx}\\& &=(\frac{d^2 y}{dt^2}e^{-t}-\frac{dy}{dt}e^{-t})e^{-t}\\& &=(\frac{d^2 y}{dt^2}-\frac{dy}{dt})e^{-2t} \end{eqnarray}
これらを与式に代入します。
$$(e^t)^2・(\frac{d^2 y}{dt^2}-\frac{dy}{dt})e^{-2t}-e^t ・\frac{dy}{dt}e^{-t}+y=\log{e^t}$$
$$\frac{d^2 y}{dt^2}-2\frac{dy}{dt}+y=t \quad (1)$$
これで定数係数の2階線形微分方程式の非同次形に帰着できました。これを解いていきます。
まずは2階線形微分方程式の同次形の一般解$y_c (x)$を特性方程式を利用することで求めていきます。(1)式の$R(x)$を$R(x)=0$として、$y^{\prime\prime}-2y’+y=0$として特性方程式を考えます。特性方程式は$s^2-2s+1=0$より($t=\log{x}$のtと区別するために今回はsを使います)
$$(s-1)^2=0$$
よって$s=1$(2重解)です。したがって2重解をもつので、(1)式の余関数は
$$y_c (x)=(C_1 +C_2 t)e^t$$
次は特殊解$Y(x)$を求めていきます。$R(x)$がtの1次の多項式で特性方程式が$0$を解に持たないので、特殊解を$Y(x)=At+B$とおきます。すると、$Y’=A$,$Y^{\prime\prime}=0$となります。これらを(1)式に代入します。
$$-2A+At+B=t$$
$$At+(-2A+B)=t $$
ここで両辺の係数を比較することによって
$$A=1,-2A+B=0$$
$$A=1,B=2$$
したがって特殊解は
$$Y(x)=t+2$$
よって求める一般解は
$$y=(C_1 +C_2 t)e^t+t+2$$
最後にtをxに戻します。
$$y=(C_1+C_2\log{x})x+\log{x}+2$$
練習問題
練習問題にチャレンジしてみましょう。
(1)$x^2 y^{\prime\prime}+5xy’+4y=x \quad(x \gt 0)$を解け
$x \gt 0$なので、まず$t=\log{x}$つまり$x=e^t$とおくと、
\begin{eqnarray} \frac{dy}{dx}& &=\frac{dy}{dt} \frac{dt}{dx}\\& &=\frac{dy}{dt}・\frac{1}{x}\\& &=\frac{dy}{dt} e^{-t} \end{eqnarray}
\begin{eqnarray} \frac{d^2 y}{dx^2}& &=\frac{d}{dx}(\frac{dy}{dx})\\& &=\frac{d}{dt} \frac{dt}{dx} (\frac{dy}{dx})\\& &=\frac{d}{dt}(\frac{dy}{dt}e^{-t}) \frac{dt}{dx}\\& &=(\frac{d^2 y}{dt^2}e^{-t}-\frac{dy}{dt}e^{-t})e^{-t}\\& &=(\frac{d^2 y}{dt^2}-\frac{dy}{dt})e^{-2t} \end{eqnarray}
これらを与式に代入します。
$$(e^t)^2・(\frac{d^2 y}{dt^2}-\frac{dy}{dt})e^{-2t}+5e^t ・\frac{dy}{dt}e^{-t}+4y=e^t$$
$$\frac{d^2 y}{dt^2}+4\frac{dy}{dt}+4y=e^t \quad (1)$$
これで定数係数の2階線形微分方程式の非同次形に帰着できました。これを解いていきます。
まずは2階線形微分方程式の同次形の一般解$y_c (x)$を特性方程式を利用することで求めていきます。(1)式の$R(x)$を$R(x)=0$として、$y^{\prime\prime}+4y’+4y=0$として特性方程式を考えます。特性方程式は$s^2+4s+4=0$より($t=\log{x}$のtと区別するために今回はsを使います)
$$(s+2)^2=0$$
よって$s=-2$(2重解)です。したがって2重解をもつので、(1)式の余関数は
$$y_c (x)=(C_1 +C_2 t)e^{-2t}$$
次は特殊解$Y(x)$を求めていきます。$R(x)$が$e^{t}$で特性方程式が$1$を解に持たないので、特殊解を$Y(x)=Ae^t$とおきます。すると、$Y’=Ae^t$,$Y^{\prime\prime}=Ae^t$となります。これらを(1)式に代入します。
$$Ae^t+4Ae^t+4Ae^t=e^t$$
$$9Ae^t=e^t $$
ここで両辺の係数を比較することによって
$$A=\frac{1}{9}$$
したがって特殊解は
$$Y(x)=\frac{1}{9}e^t$$
よって求める一般解は
$$y=(C_1 +C_2 t)e^{-2t}+\frac{1}{9}e^t$$
最後にtをxに戻します。
$$y=(C_1+C_2\log{x})\frac{1}{x^2}+\frac{1}{9}$$
(2)$x^2 y^{\prime\prime}+3xy’+4y=x^2 \quad(x \lt 0)$を解け
$x \lt 0$なので、まず$t=\log{(-x)}$つまり$x=-e^{t}$とおくと、
\begin{eqnarray} \frac{dy}{dx}& &=\frac{dy}{dt} \frac{dt}{dx}\\& &=\frac{dy}{dt}・\frac{1}{x}\\& &=\frac{dy}{dt} (-e^{-t})\\& &=-\frac{dy}{dt}e^{-t} \end{eqnarray}
\begin{eqnarray} \frac{d^2 y}{dx^2}& &=\frac{d}{dx}(\frac{dy}{dx})\\& &=\frac{d}{dt} \frac{dt}{dx} (\frac{dy}{dx})\\& &=\frac{d}{dt}(-\frac{dy}{dt}e^{-t}) \frac{dt}{dx}\\& &=(-\frac{d^2 y}{dt^2}e^{-t}+\frac{dy}{dt}e^{-t})・(-e^{-t})\\& &=(\frac{d^2 y}{dt^2}-\frac{dy}{dt})e^{-2t} \end{eqnarray}
これらを与式に代入します。
$$(-e^t)^2・(\frac{d^2 y}{dt^2}+\frac{dy}{dt})e^{-2t}+3(-e^{t}) ・(-\frac{dy}{dt}e^{-t})+4y=e^{2t}$$
$$\frac{d^2 y}{dt^2}+4\frac{dy}{dt}+4y=e^{2t} \quad (1)$$
これで定数係数の2階線形微分方程式の非同次形に帰着できました。これを解いていきます。
まずは2階線形微分方程式の同次形の一般解$y_c (x)$を特性方程式を利用することで求めていきます。(1)式の$R(x)$を$R(x)=0$として、$y^{\prime\prime}+4y’+4y=0$として特性方程式を考えます。特性方程式は$s^2+4s+4=0$より($t=\log{(-x)}$のtと区別するために今回はsを使います)
$$(s+2)^2=0$$
よって$s=-2$(2重解)です。したがって2重解をもつので、(1)式の余関数は
$$y_c (x)=(C_1 +C_2 t)e^{-2t}$$
次は特殊解$Y(x)$を求めていきます。$R(x)$が$e^{2t}$で特性方程式が$2$を解に持たないので、特殊解を$Y(x)=Ae^{2t}$とおきます。すると、$Y’=2Ae^{2t}$,$Y^{\prime\prime}=4Ae^{2t}$となります。これらを(1)式に代入します。
$$4Ae^{2t}+4(2Ae^{2t}+4Ae^{2t}=e^{2t}$$
$$12Ae^{2t}=e^{2t} $$
ここで両辺の係数を比較することによって
$$A=\frac{1}{12}$$
したがって特殊解は
$$Y(x)=\frac{1}{12}e^{2t}$$
よって求める一般解は
$$y=(C_1 +C_2 t)e^{-2t}+\frac{1}{12}e^{2t}$$
最後にtをxに戻します。
$$y=(C_1+C_2\log{(-x)})\frac{1}{x^2}+\frac{1}{12}x^2$$
まとめ
今回はオイラーの微分方程式について解説しました。よく出てくる形なので、何回も演習してしっかりマスターしておきましょう。